Vol.1 販売管理システム導入時のコードの決め方

このコラムでは、”DX 営業人のための販売管理システムとの付き合い方”と題して、どうすれば販売管理システムの導入・運用が上手くいくのか、或いは、どの様な時に失敗しやすいかについて、システム提供側である筆者の実体験も交えてお伝えしています。
このコラムを読まれている営業人の皆さんが所属する会社では、販売管理システムは導入されていますか?
* システムが導入されており、有効活用している。
* システムが導入されているが、上手く使えていない。
* 全てをエクセルで管理をしている。
上記のようにこのコラムを読まれている方の中でも状況は様々かと思います。
第一回である今回は、「販売管理システム導入時のコードの決め方」についてお伝えします。
システムを導入する際の前準備として大切なのが、顧客コード、仕入先コード、商品コード等の、コード決めです。
エクセルを使用してデータ管理をしている間は、コードが付与されていなくても大きな支障はありませんが、システムを使用して管理する場合は、コードをキーとしてデータ連携をしますので、必ず一意のコードを定める必要があります。
その時のポイントは「コードに意味を持たせない」ことです。
顧客コード決めの失敗例として、顧客コードを見れば「地域」「代理店/直販」が判るようにしたいという発想で、
JPA0001
USD0001
USD0002
といったように、コードに意味を持たせるやり方が挙げられます。このやり方において、初めはきれいに揃って気持ち良いかもしれませんが、運用していくにつれて、「ルールを理解していない人が、間違ったコード体系でつけてしまう」、「顧客情報に変化があった時に、実態とコードの間で整合性が取れなくなる」といったことが起こります。
こういったことを避けるためにも、「コードに意味は持たせない」ことが重要となります。
顧客コードは、単純に連番で管理することが一番妥当な方法です。但し、数字だけにした場合、システムからエクセルにデータを導出して編集などをする際に、少し不便になります。そこでCustomerの頭文字であるCを最初につけて、
C0001
C0002
C0003
といったように頭文字のC以下は連番とすることをおすすめします。「地域区分」「取引区分」といった情報については、コードに意味を持たせて管理するのではなく、システム内に必要な管理項目を設けることで、様々な状況変化に対応が可能です。
導入段階で、誰にでも理解ができるルール決めをしておくことで、長期の運用に耐え得るコード付けができる様になります。
松村 稔 プロフィール
上海レンユアー総経理
2003年から上海で日系企業向けに業務システムの構築サービスを提供。 属人化を排除しつつ、お客様独自の強みを強化する業務システム構築を得意とする。 大規模な工場系基幹システムから、クラウドを活用した商社向けの販売管理システムまで、幅広い経験を活かして、多数の大手企業のシステム導入に参画。

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