Vol.3 販売管理システムの受注入力効率化

このコラムでは、”DX 営業人のための販売管理システムとの付き合い方”と題して、どうすれば販売管理システムの導入・運用が上手くいくのか、或いは、どの様なときに失敗しやすいかについて、システム提供側である筆者の実体験も交えてお伝えしています。
第3回である今回は、「販売管理システムの受注入力効率化」についてお伝えします。
販売管理システムを導入したものの、営業現場で働く人々が日々の忙しさに追われて、システムがうまく立ち上がらないということが往々にしてあります。
販売管理システムの立ち上げには営業部署だけではなく、購買、倉庫、財務等の色々な部署が関係します。しかし、業務プロセスのスタートは営業部門による受注入力であることが多く、まずはその入力が定着しないことには、スムーズな立ち上げは望めません。
そして、受注業務を主に担当するのが、営業人の皆さまですね。
忙しい営業人の皆さまに、いかに手間をかけずに販売管理システムの受注入力をしてもらうかというのが、販売管理システムの立ち上げのポイントの一つです。
それを実現するためのノウハウを二つ紹介します。
一つ目が「エクセルからの受注情報貼り付け機能」です。
受注入力には原紙が存在します。お客様からの注文書(PO:Purchase Order)を見て、受注入力画面に一件ずつ手入力するのが、通常手順だと思います。その注文書がもし、エクセルであれば、そこからの貼り付け機能を、受注入力画面に実装することで、手入力に比べて遥かに時間を節約する事ができます。
貼り付け機能の検討時の注意点としては、貼り付けパターンはたくさん作りすぎないことをおすすめします。定型のエクセルパターンを一つ作っておくだけでも、十分効果が出ます。
ノウハウの2つ目は、すごく単純ですが「過去受注伝票の複写機能」です。
前回と同じ構成での受注や、毎月ほぼ同じ明細での受注について、一から毎回手入力するのは非効率ですし、複写ができれば単純な転記ミスも予防できます。
過去の受注伝票を画面に表示したあと、ワンクリックで複写できるだけで、入力にかかるストレスを大幅に軽減することができます。
販売管理システムの導入の際は、ぜひこの2つのポイントも確認してみてください。
松村 稔 プロフィール
上海レンユアー総経理
2003年から上海で日系企業向けに業務システムの構築サービスを提供。 属人化を排除しつつ、お客様独自の強みを強化する業務システム構築を得意とする。 大規模な工場系基幹システムから、クラウドを活用した商社向けの販売管理システムまで、幅広い経験を活かして、多数の大手企業のシステム導入に参画。

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