Vol.5 分納に関するシステム導入前の要注意点

このコラムでは、”DX 営業人のための販売管理システムとの付き合い方”と題して、どうすれば販売管理システムの導入・運用が上手くいくのか、或いは、どの様なときに失敗しやすいかについて、システム提供側である筆者の実体験も交えてお伝えしています。

第5回である今回は、「分納に関するシステム導入前の要注意点」についてお伝えします。

販売管理システムに関して、特に営業人の皆様が深く関わるのが、対お客様の業務である受注業務、出荷業務になってくると思います。
出荷業務をシステム化するにあたり、構築前に注意しておく点は多々ありますが、本日はその中の「分納」について、紹介します。

今から導入しようとしている販売管理システムが分納に対応しているかは、必ず確認をしておくことをお勧めいたします。
例えば、受注が100個で、1回目の出荷が30個、2回目の出荷が70個であった場合、分納対応しているシステムでは、

  1. 受注100個入力
  2. 出荷30個入力
  3. 出荷70個入力

の3ステップで処理が完了します。しかし、分納に対応していないシステムでは、

  1. 受注100個入力
  2. 受注数を100個から30個に変更
  3. 出荷30個入力
  4. 70個の新受注を入力
  5. 出荷70個入力

この様にステップが2個増えてしまいます。2ステップとはいえ、日々の運用でこれが続くと年間換算すると大変な時間になってしまいますし、ミスが発生する可能性も高まります。

販売管理システムが分納に対応していないという状況でしたら、システム自体が分納に対応していないのか、或いは他部署からの要望でその様に組もうとしているのか、そのあたりをご確認頂き、システム会社・社内の他部署と、よくご相談頂くと良いと思います。


松村 稔 プロフィール

上海レンユアー総経理

2003年から上海で日系企業向けに業務システムの構築サービスを提供。 属人化を排除しつつ、お客様独自の強みを強化する業務システム構築を得意とする。 大規模な工場系基幹システムから、クラウドを活用した商社向けの販売管理システムまで、幅広い経験を活かして、多数の大手企業のシステム導入に参画。


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