Vol.1 BtoBのデジタルマーケで大事なことは“顧客とどこで接触するか”

こんにちは、applemint 代表の佐藤です。
台湾で、デジタルマーケティングの会社の代表を務めています。
突然ですが、これをご覧いただいている方の中で、2020年に「DX」という言葉が急に社内で飛び交い始めたという方はどれくらいいるでしょうか?恐らく8-9割の方が「Yes」と答えると思います。
では、具体的に何かデジタルな販売やデジタルなマーケティングをされた方はいますか? 恐らく7割ぐらいの方は「No」と回答するのではないでしょうか?
それはなぜでしょうか?
その理由は、みなさんが具体的に何をしたらいいのかわからないからだと私は思います。「SFA導入」、「Google 広告」、「クラウド化」と言われても、「なぜ」それらをしなければいけないかをわからなければ体が動きません。
残念ながらその「なぜ」をわかりやすく説明する人が社内に少なく、オンラインセミナーに参加しても、見たこともないカタカナ文字が並びます。
そこで、第一回目のこの投稿ではBtoBの企業にお勤めの方を対象に、BtoBの企業は具体的にどんなデジタルマーケティングをすればよくて、なぜそれをすればよいのかをわかりやすくご説明したいと思います。
意識するのは接触ポイント
結論からお話しします。BtoBの企業はまずは Google 広告を始めるべきだと思っています。
あれだけ、冒頭でわかりやすく説明すると言って、いきなり結論をお話ししてすみません(苦笑)理由をご説明します。
例えばみなさんはお花が欲しくなったときまず何をしますか?
恐らく9割の方がGoogle検索をされます。そして残り1割の方は馴染みのお花屋に行くか、知り合いにオススメのお花屋を聞くと思います。
では、仮に皆さんが半導体の電子部品を欲しくなったとして、まずやることは何でしょうか?恐らく以下の5つの行動のうちどれかを取るのではないでしょうか?
1. 今まで取引のある企業に発注する(もうすでに部品を購入している場合に限る)
2. 知り合いに聞く
3. 検索をする
4. 展示会やセミナーに参加する
5. その他
みなさんが売っている製品が企業向けの半導体製品だろうと、計測器だろうと、超大型機械だろうと、それらの製品を欲している人は必ずいます。いなければ会社は存続していません。
そして、筆者の経験上、新規で BtoBの製品やサービスを欲しがっている人の7-8割はまず「検索」をすると思います。セミナー参加や会社訪問は、検索して製品に興味を持った後にします。
大事なことは、お客さんがどうやって皆さんの製品を探すかを思い浮かべ、お客さんと接触できるポイントを明確にすることです。
そしてコロナ渦で人の移動や接触が限られている今、恐らく7-8割のBtoBの方がまずは#3の検索をします。それはつまりGoogle 上で潜在顧客に最も接触できることを意味します。
これがBtoBの企業(中国以外)がまずは Google 広告をやるべき理由です。
なぜならGoogle 上で最も潜在的な顧客に接触できる可能性が高いからです。
SNS はどうなんですか?
筆者はときどきBtoB の企業の方から SNS 広告はどうですか?という質問を受けます。ここでも意識するのは接触ポイントです。みなさんがお客さんだった場合、その製品やサービスを必要な時、SNS 上で製品を探すでしょうか?もし答えが「Yes」ならSNS 広告をやるべきです。「No」ならひとまずSNS広告に出稿する必要はありません。
筆者は経験上、BtoB企業の方の答えが大抵「No」であることを知っています。では、SNS上で BtoB企業の製品を探す人がいないのに、SNS 広告をするとどうなるでしょうか?みなさんが SNS 上で潜在顧客に自分達を見つけてもらうように仕向けなければなりません。
花屋を想定して、例え話をしたいと思います。お客さんがGoogle広告でお花を探している場合、Google広告は「花屋」などと検索した、花を明らかに必要なお客さんを対象として出稿します。
これに対して、お客さんがSNS 上でお花を探していない場合、SNS 広告は、路上に出てビラを配って花が必要な人を探し出す行為と似ています。服装や性別を見て、なんとなく花を必要そうな人に狙いを絞って、自分からアプローチすることは SNS 広告と似ています。
どちらの方が効率がいいでしょうか?
Google 広告はニーズが明確な人に広告を表示し、SNS 広告はニーズがあるかわからない人に、広告を表示してニーズを喚起しようとします。従って、SNS 広告は通常消費者にニーズを更に喚起させたい時に行います。
しかし、BtoBの製品やサービスはBtoCのサービスと違って、簡単にニーズが喚起されるものではありません。従って、SNS 広告は初期の段階であまり考えなくていいと思います。
重要なのは接触ポイント
重要なことは、みなさんの製品が必要な人はまずどうやってみなさんの製品を探すかであって、現在は、多くの方は Google で検索を行います。これが Google 広告を行う理由であり、デジタルマーケティングをするべき理由です。
もしもみなさんの製品を必要としている人の多くが検索をせずに、飲み会に参加して製品を探すなら飲み会に参加してください。意識するのはニーズが顕在化した顧客にどこで接触できるかです。
以上 applemint 代表佐藤からBtoB企業がデジタルマーケティングでまず何をすべきかでした。
次回は BtoB企業の Google 広告についてもう少し深掘りしたいと思います。
佐藤峻 プロフィール
国際基督教大学教養学部教育学科卒。
國立政治大學國際經營管理英語修士(ビジネススクール)修了。
新卒後メーカー勤務を経て、外資系広告代理店WPP マーケティングコミュニケーションズ合同会社入社(現Wunderman Thompson Japan)
その後、台湾の日系広告代理店を経て、2017年にデジタルマーケティングの会社 applemintを台湾で起業。
外部からの出資0、人脈なし、営業経験なしから現在までに40社以上の台湾プロモーションを担当。
手がけた業種はBtoC、DtoC、BtoB、アパレル、コスメ、ホテル、ジュエリー、機械メーカーと多岐にわたる。

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