Vol.9 販売管理システムにおける「予実管理の粒度」について

このコラムでは、”DX 営業人のための販売管理システムとの付き合い方”と題して、どうすれば販売管理システムの導入・運用が上手くいくのか、或いは、どの様なときに失敗しやすいかについて、システム提供側である筆者の実体験も交えてお伝えしています。

第9回である今回は、販売管理システムにおける「予実管理の粒度」についてお伝えします。

予実管理は、予算実績管理の略称で、予め会社として定めた予算(目標値)に対して、実績(実際値)を対比させて、目標達成状況等を管理する手法です。

販売管理システムの導入にあたり、予実管理機能を組み込むことがあると思いますが、その際にきちんと粒度を決めておくことが肝要だと考えます。
比較対象としては、売上・粗利の2種類に集約されることが多いと思いますが、予算をどこまで細かく立案して、実績と比較していくかという粒度については、各社様々です。

粒度が粗すぎると、予実分析後に取ることができる対策案の検討が粗くなりますし、粒度が細かすぎると、予算立案自体に多大な工数がかかってしまいます。

最終的には管理者の考え方によりますが、下記の様な要素を考慮して、粒度を決められていることが多いように思います。

【集計の切り口】
*顧客別
*商品グループ別
*担当別

【日付の切り口】
*月毎に予算を決めて、合計値を年予算とする。
*年毎に予算を決めて、月毎の割り算で月予算とする。

日付の切り口については、年毎に予算を決めて月毎の割り算で、月予算とするのが、入力上は楽ですが、季節・時期により、売上増減の傾向がはっきりと分かれる製品を扱う会社の場合は、月毎に予算を決めるのが望ましい様です。

皆様も自社にあった、予実管理の粒度を是非考えてみてください。


松村 稔 プロフィール

上海レンユアー総経理

2003年から上海で日系企業向けに業務システムの構築サービスを提供。 属人化を排除しつつ、お客様独自の強みを強化する業務システム構築を得意とする。 大規模な工場系基幹システムから、クラウドを活用した商社向けの販売管理システムまで、幅広い経験を活かして、多数の大手企業のシステム導入に参画。


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