Vol.10 販売管理システムで「商品の過不足」をどう確認するか

このコラムでは、”DX 営業人のための販売管理システムとの付き合い方”と題して、どうすれば販売管理システムの導入・運用が上手くいくのか、或いは、どの様なときに失敗しやすいかについて、システム提供側である筆者の実体験も交えてお伝えしています。
第10回である今回は、「販売管理システムで「商品の過不足」をどう確認するか」についてお伝えします。
お客様からの注文依頼をはじめに受けるのは営業人の皆様だと思います。
そのとき、その注文をすぐに受けて良いかの判断を皆様はどうされていますか。
社内の在庫を確認する、或いは社内の手配担当者に状況を確認する等、いろいろな判断方法があるかと思います。この判断の一助となるのが販売管理システム上の、「商品過不足情報」です。
今後、販売管理システムの導入を検討される際に、営業の立場として商品過不足の確認方法について、事前にイメージをしておくことで、システムの活用度がより向上します。
私個人のおすすめとしては、商品過不足確認の専用画面を準備する方式です。
受注入力画面で商品を入力するときに在庫情報を表示することもできますが、受注画面はあくまで確定した注文情報を入力することに特化した機能にする方が、望ましいケースが多いと考えています。
では、商品過不足確認の画面にはどの様な項目が必要でしょうか。
1 商品コード
2 商品名
3 在庫数
4 受注残数
5 在庫過不足(3引く4)
6 発注残数
7 将来過不足(5足す6)
おおよそ、このような項目があれば良いかと思います。5 在庫過不足がプラスの数字であれば、すぐに出せる在庫があると判断できますし、仮に在庫が不足していたとしても、7 将来過不足がプラスの数字であれば、今は在庫がなくても、今後商品が入ってくるという大枠の判断が可能です。
実際の仕事では、「内示」や「安全在庫」等の各種要素も関係してきますが、まずは在庫過不足の概況を販売管理システムで手早く確認可能にすることで、より効率的にお客様からの注文受領判断ができ、お客様の満足度の向上も期待できます。
松村 稔 プロフィール
上海レンユアー総経理
2003年から上海で日系企業向けに業務システムの構築サービスを提供。 属人化を排除しつつ、お客様独自の強みを強化する業務システム構築を得意とする。 大規模な工場系基幹システムから、クラウドを活用した商社向けの販売管理システムまで、幅広い経験を活かして、多数の大手企業のシステム導入に参画。

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