営業人のためのSFA活用術vol.12

SFA活用事例 案件種類の整備から始まる営業組織づくりその2

前回に引き続きSFA活動事例「案件種類の整備から始まる営業組織づくり」を記載させていただきます。前回は、新規案件開拓が最重要課題になりその中でSFAの導入を決め、最初に案件粒度と案件種類の定義をし、営業メンバーに担当案件を整理していただくところまで記載させていただきました。

想像より新規案件が少ない・・・でもなんで?

案件を改めて整備をしていただいた結果、本事例ではわかりやすく件数ベースで記載させていただきますが、
未取引顧客 5%
既存顧客-新商品 15%
既存顧客-既存商品 80%
と、「新規案件は忙しくこれ以上できない」と各自の感覚では思っていましたが、実際の数字上では想像以上に少ないという現実がわかりました。かといって皆さんはサボっているわけではなく、日々しっかり業務をされています。そこで次の仮説は、「案件種類の分け方がまだ不完全?」という当たりをつけて、さらなる議論を進めました。そこで出た意見が、既存顧客-既存商品の中で
①生産量の増産にともなう案件対応
②複数社購買状況から1社購買への独占切り替え
③単価向上のため材料販売から一次加工品に切り替えるアップセル
もあるということがわかりました。改めてそれらを加味して整理いただいたところ、
未取引顧客 5% → 新規
既存顧客-新商品 15% → 新規
既存顧客-増産 5% 上記①、②を併合 → 追加案件
既存顧客-アップセル 0%  → 追加案件。非常に稀な状況だった
既存顧客-既存商品 75% → 既存
これでもあまり数値と感覚が一致しないことがわかりました。案件種類がより明確化されたことはよかったのですが、完全に当てが外れました。

開発も巻き込んだ議論!?

「忙しい」問題で事実と感覚が一致しない場合、大きな進め方として、次に考えるのは内部プロセスです。つまり、社内の業務の何か非効率であることが原因で、後続の業務が足をひっぱられ、その埋め合わせに必要以上の労力を使っているということです。そこで我々は、営業部だけでなく営業段階で試作品を作る開発の方々も巻き込んで議論することになりました。
そこでわかったのは、その会社の強みは、「オーダーメードでのお客様と共に製品開発をすること」であるということもあり、営業メンバーが1回目の試作品段階からお客様の要望通りに開発にオーダーメード相当の試作品をお願いしていることがわかりました。かつ営業メンバーが個別に開発メンバーに依頼していたため、依頼状況も把握できておらず、すべての営業メンバーが手間をかけていろいろ準備して依頼して、かつ待たされるという状態であることがわかりました。

まずは内部プロセス整備

我々は、「新規案件開拓」は一旦、優先度を下げて、まずは試作品依頼業務における内部プロセス改善を最優先に引き上げ、それをSFA上で実現することにしました。具体的には
・依頼プロセスの整備 営業担当 -> 営業部長によるオーダーメード判断 -> 開発部長による開発担当アサインと納期設定 -> 開発
・過去の試作品レシピを整備し、営業が一回目に依頼する際は、基本的には過去試作品から依頼する
・一定量の生産量が見込める場合は、必ず開発メンバーも同行して直接顧客の意見を聞く
という運用整備です。これらの運用を2,3か月実行したことで、プロセスが改善し「新規で忙しい」という感覚は、内部業務プロセスであることが分かり解決し、再度、新規案件開拓の検討をすることになりました。

この続きについては、次回に記載いたします。


伊東 大輔 プロフィール

TRANSAGENTパートナー SFAコンサルタント

大学卒業後大手SFAメーカーのSE、導入コンサルタントとして従事し、200社以上のSFA導入支援コンサルティングに携わる。

その後日本国内シェアNo.1のグループウェアメーカーの中国現地法人にてSE統括兼マーケティング総監として、導入コンサルティング及び販促企画や営業組織づくりに注力し、中国進出日系ITメーカーとしては異例の導入企業1,000社突破達成に貢献した実績を持つ。

トランスエージェントに参画後はB to BマーケティングにおけるWebマーケティング(デジタルマーケティング)施策と営業行動との連動における諸問題に着目し、顧客企業に対して、その可視化と分析が実現できるSFA活用支援を行っている。


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