営業人のためのデジタルマーケティング活用術Vol.7

Vol.7 台湾で何をやっても売れる会社と何をやっても中々売れない会社

こんにちは、applemint 代表の佐藤です。
台湾でデジタルマーケティングの会社の代表を務めています。

applemint はおかげさまで、台湾で創業して5年目を迎えました。幸いにも最近では世界的にも有名なナショナルブランドのお手伝いをするケースも出てきました。
このナショナルブランドさんのウェブ広告をし始めてびっくりしたのが、ウェブ広告の費用対効果がかなりいいという事です。
「そりゃ、ナショナルブランドで誰もが知っているブランドだからでしょ」とみなさん思うかもしれません。
それはつまり「みんなが知っていれば売れる」という仮説に基づく考えだと思いますが、これが正しければこの世の中は資本が大きい企業だけが勝ちます。しかし実際は違いますよね。

また、僕らのお客さんの中にはこのナショナルブランドよりも毎月10倍の広告予算をかけているのになかなか売れない中小企業のお客さんもいます。この両社の違いはなんでしょうか?本当に「知名度」だけで片付けてもいいのでしょうか?

結論を言ってしまうと、私は後者の中小企業はお金の使い方が悪いと思っていて、具体的には信頼に繋がらないお金の使い方をしているから売れないと思っています。このブログではそれが何か具体的にお話をしたいと思います。

広告費が何百万円の中小企業と何十万円のナショナルブランド
まずは今回お話するナショナルブランドさんと中小企業さんの背景をお話します。このナショナルブランドさんは台湾に進出して来年で20年になります。主な販路はデパートで、ある家電カテゴリーにおいてはとても優位なブランド力を有しています。「自動掃除機 = ルンバ」のような強さがあるという事です。

ただしこのナショナルブランドさんは、知名度はあるものの色んな場所で商品を販売しており、従業員も多数いるため、ウェブ広告にかける予算は正直多くありません。2ヶ月で100-200万円ほどです。

一方の中小企業さんですが、台湾には進出して6年目です。もう6年もいるので、超ルーキーという訳ではありません。プロ野球でいうと楽天のオコエ瑠偉選手みたいな感じです(ルーキーの印象が強いけど気づいたら結構長いみたいな感じです)

この中小企業さんは大体2ヶ月で1500 – 2000万円ほどのウェブ広告予算をかけます。広告予算では前者の有名ナショナルブランドを圧倒しています。しかし、費用対効果が良いのはナショナルブランドです。

某ナショナルブランドは先日4万円ほどの広告費をかけ、6万円の商品が1つウェブ上で売れました。それに対して、台湾ルーキーの会社は例えば8000円の広告費をかけ、5500円の商品が1つ売れていて、広告の費用対効果だけを見ると赤字です。

この差を「ブランド力」という曖昧な一言で片付けるのは違うと思い、私は色々考えた結果、後者の中小企業さんは「信頼につながらない施策」にお金をかけていると考えました。

売れる施策をするのではなく、信頼に繋がらない施策をやらない事が大事
僕が考える信頼に繋がらない施策の最も典型的な例がインフルエンサー施策です。
インフルエンサーの施策とはお金を払ってインフルエンサーさんに商品を PR してもらう事です。なぜこれが信頼に繋がらないのでしょうか?

それはインターネットやSNSが普及した現代においては消費者のネットリテラシーが上がり、インフルエンサーの PR を「PR」と見分けられるためです。
台湾ではインフルエンサーのプロモーションが横行しすぎて、「あ、またお金をもらって宣伝しているのね」と消費者が理解し始めました。

ここでお尋ねします。実生活でブランドの商品を使っていないインフルエンサーがあなたの会社の PR をする事は信頼に繋がるでしょうか?繋がりません。なぜなら嘘をついているからです。

逆にインフルエンサーにビタ一文払わないユニクロはファッションインフルエンサーのMBさんや他の方が毎週のようにユニクロの話をして、どんどん信頼を上げています。なぜなら MBさんは嘘をついていないからです。

僕は台湾に限らずどこの国に進出してもそうですが、大事なのは売れる施策をするのではなく信頼に繋がらない施策を避ける事が大事だと思っています。その観点から言うとインフルエンサー施策は成功への近道に見えて一番の遠回りだと僕は思っています。

信頼に繋がらない施策の基準は信頼できる人と信頼できない人

では、その他に信頼に繋がらない施策とは具体的に何でしょうか?別に難しく考えなくても人に例えるとわかりやすいと思います。

例えば信頼できる人ってどんな人ですか?僕は以下みたいな人です:

・嘘をつかない (誠実)
・約束を守る
・実力がある (結果を出す)
・ブレない (言っている事とやっている事に一貫性がある)

これを商品及び商品の宣伝に置き換えるのです。
・嘘をつかない
・約束通りのサービスを提供する
・効果があるサービスを提供する
・宣伝とやることに一貫性を持たす

インフルエンサー施策は一時的には売上に貢献するかもしれませんが、お金を払って嘘をついてもらっているので信頼には繋がりません。

今僕らがお手伝いしているナショナルブランドさんはあるカテゴリー商品の品質がとてもいい事で有名です。また、今まで特にインフルエンサーを起用せず、地道に販路を拡大して実際に消費者に商品を手に取ってもらっていました。これが信頼に繋がっているので、ウェブ広告をしても信頼が結果に反映されたと思っています。

これからの広告の指標は「信頼」

台湾に進出して間もない会社は自分たちの商品やサービスの信頼が低い時、往々に悲劇的な事をします。
それは信頼を下げる広告をする事です。価格表示の法律が曖昧な台湾では、元々の価格を吊り上げてその価格に罰印をつけて、あたかもすごいディスカウントをしているように見せているサイトもよく見ます。

これもまさに不誠実なやり方で、一瞬売れるかもしれませんが、信頼は蓄積されず後々苦しくなると思っています。
もしもこのブログに共感いただけたら今一度自分達がしている広告や発信しているメッセージはどう「信頼」に繋がっているか考えてみてはどうでしょうか?
以上台湾からでした!

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佐藤峻 プロフィール

国際基督教大学教養学部教育学科卒。

國立政治大學國際經營管理英語修士(ビジネススクール)修了。


新卒後メーカー勤務を経て、外資系広告代理店WPP マーケティングコミュニケーションズ合同会社入社(現Wunderman Thompson Japan)

その後、台湾の日系広告代理店を経て、2017年にデジタルマーケティングの会社 applemintを台湾で起業。

外部からの出資0、人脈なし、営業経験なしから現在までに40社以上の台湾プロモーションを担当。

手がけた業種はBtoC、DtoC、BtoB、アパレル、コスメ、ホテル、ジュエリー、機械メーカーと多岐にわたる。


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