Vol.14 請求先と送り先の違いと販売管理システム上での取り扱い

このコラムでは、”DX 営業人のための販売管理システムとの付き合い方”と題して、どうすれば販売管理システムの導入・運用が上手くいくのか、或いは、どの様なときに失敗しやすいかについて、システム提供側である筆者の実体験も交えてお伝えしています。

第14回である今回は、請求先と送り先の違いと販売管理システム上での取り扱いについて、考えてみたいと思います。

まず冒頭から「請求先」、「送り先」という少々わかりにくい表現をしていますが、販売の実業務において、下記の2パターンがあるかと思います。

パターン1:A社からお金をもらい、A社に商品を送る。
パターン2:A社からお金をもらい、B社に商品を送る。

パターン1においては、A社が請求先兼送り先。
パターン2においては、A社が請求先、B社が送り先。

ということになります。この場合に、A社、B社をひとまとめに、「顧客」と呼んでしまうと、コミュニケーションで支障がでてしまうため、筆者は「請求先」、「送り先」という様に、明確に表現を分けています。

販売管理システムにおいても、この2つは明確に分けて管理されることが多い印象です。
売上計上、売掛金回収、売上統計において、確実な管理が要求されるのは「請求先」です。お金が絡みますので、こちらは明確に管理をする必要があります。

「送り先」に関しては、あくまで参考情報としてシステムに保持する場合が多い様に思います。会社によっては、送り先コードをきちんと付与して、マスタ化する場合もありますし、送り先が都度変わることが多い場合は、受注時に販売管理システムに手入力をして、マスタ化しない場合もあります。

いずれにせよ。「送り先」については、納品書にきちんと印字されれば問題ないという程度の管理をされている会社が多い様に思います。
(例外として、売上統計において、送り先別の統計が重要視される会社においては、請求先同様に、明確な管理を求められることもあります。)

貴社におけるそれぞれの管理目的を明確にして、適切な保持方法を是非ご検討下さい。


松村 稔 プロフィール

上海レンユアー総経理

2003年から上海で日系企業向けに業務システムの構築サービスを提供。 属人化を排除しつつ、お客様独自の強みを強化する業務システム構築を得意とする。 大規模な工場系基幹システムから、クラウドを活用した商社向けの販売管理システムまで、幅広い経験を活かして、多数の大手企業のシステム導入に参画。


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