Vol.14 フォントについて (3)

こんにちは。ワンダースター株式会社の竹内です。
前回に続いてフォント(書体)についてご紹介します。

今回は、前回までにご紹介した内容を基に、実際に簡単なデザインの参考事例をお見せしたいと思います。

以下は20%割引セールを告知するバナーの例です。

前回ゴシック体と明朝体の違いを説明しましたが、「今なら20%OFF」という最も先に気づいてほしい文字には、視認性が高いゴシック体を使用しました。
“期間限定~”と、“2022年7月1日~”については、メリハリを付けるためでもありますが、文章が読みやすくなる明朝体を使用しております。

また、第9回で取り上げましたが、背景色には後退色である青色、20%OFFには進出色である黄色を使用することで、20%OFFの文字がより目立ちやすい配色になっています。
青色と黄色は第10回で取り上げた、色相環上での補色関係にありますので、よりお互いの色を強調させる関係になります。

同じ内容で、別のデザイン参考例を以下に挙げます。

最初の例と違って、文字は全て明朝体を使用しました。また、背景には進出色である黄色、20%OFFの文字には後退色である青色を使用しています。

バナー自体がどのようなシーンで使われるかなど、総合的な視点からデザインは決定されるので、どちらが良い悪いということではありませんが、20%OFFの文字が目立ちやすいデザインはどちらかとなると、明らかに最初の例の方になると思います。

一方で、2つ目の例については、20%OFFの文字が青系であることや全体が明朝体であることから、最初のバナーより落ち着いた印象を与えることが出来ているかと思います。
したがって、使用するシーンによっては2つ目のバナーの方がデザインとして最適になる可能性もあると思います。

今回は実際のデザインを例として、フォントの違いや配色についてご説明いたしました。
フォントや色自体が持つ特性を知ることで、直感的な好きか嫌いかだけでなく(もちろんそれも重要なことですが)、様々な視点からデザインを評価したり、分析できるようになるかと思います。


竹内 光 プロフィール

ワンダースター株式会社 代表取締役
上海良星造想信息技術有限公司 総経理

2004年 京都市立芸術大学構想設計専攻卒業 2007年 WEB制作会社、広告会社のWEB関連の業務経験を経て独立。 2009年 中国(上海)に上海良星造想信息技術有限公司を設立。 2014年 日本(東京)にワンダースター株式会社を設立。 企業向けのWEBマーケティングのコンサルティング業務を中心に中国、日本で活動している。


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