Vol.22 テレアポにおいて実践者がつまずく3つのポイント①

本コラムでは、法人営業において、テレアポを実践している方に対して、改善ポイントを解説します。
アポ獲得率が今一つ伸びない方は、その原因分析をできているでしょうか。
自分のテレアポトークを客観視し見つめ直すことは容易ではありません。なかなか成果に結びつかないと、焦りも生じ悪循環に陥ってしまうことがあります。
そこで、今回より、「実践者がつまずく3つのポイント」について3回に分けてお伝えしていきます。是非、一つでも思い当たる方は、突破口を見出すべく試してみてはいかがでしょうか。
こんなお悩みはありませんか?
- 代表電話番号にかけた際に、担当者へつながる確率が低く、先が見えない状況だ。
- 相手の断りにもめげず、必死にテレアポトークを展開しているが、どうも断りムードの流れを変えることができない。
- 熱意をもってのトーク、或いは、唐突に電話をかけることに対して配慮をもってトークを実践しているが、いつも断られてしまう。
熱意をもってのトーク、或いは、唐突に電話をかけることに対して配慮をもってトークを実践しているが、いつも断られてしまう。
-こんな時どうする?-
「代表電話番号にかけた際に、担当者へつながる確率が低く、先が見えない状況だ。」
このような状況になる原因として、代表電話で最初に出る窓口の方に話しすぎていることがよく見られます。
例)セミナー案内
「お世話になっております。株式会社〇〇の△△と申します。本日は、■■セミナーのご案内として電話させていただきました。弊社では、(自社PR・サービス訴求に入る)・・・。つきましては、ご担当の方とお話させていただけませんでしょうか?」
といった流れで、窓口の方へ自社PRやサービスの訴求をしていることはありませんか?
これが落とし穴です。
警戒心が強い方に、はじめから熱弁することは逆効果であり、自ら、担当者につなげてもらう確率を下げることになります。担当者へつながらない課題を抱える営業パーソンの多くは、窓口の方へのトークが長く、逆効果となっていることに気が付かず、トーク内容の見直しにしか意識が向いていないことが多いです。
「長い」の目安は人それぞれかとは思います。
筆者が考える目安は30秒で、テレアポ指導の場では30秒以内のシンプルトークにすることをおすすめしています。最初のやりとりで、30秒以上のトークになっている方は、文量を見直してみてください。担当交代率が上がり確かな手ごたえを感じると思います。
先ほどのセミナー案内のアポ獲りの実践例です。
「お世話になっております。株式会社〇〇の△△と申します。本日は、■■セミナーのご案内として電話させていただきました。つきましては、総務部の■■に関連するご担当の方はいらっしゃいますか?」
このように、フロントトークはとにかくシンプルにすることがポイントです。
もちろん、このトークだけでは、窓口の方に「ご用件は何でしょうか?」と切り返されます。
それで良いのです。
聞かれた際に答えることで、押し売りのようなトークの印象がなくなり、相手が聞く受け入れ姿勢となっていきます。その上で用件を伝え、もう一押ししてみましょう。
ラッキーなことに、用件を伝えずに担当者に交代してくれるケースもあります。つまり、フロントトークは、トークの内容以前に話が長いと、相手はその時点でシャッターを閉めてしまうのです。
トークの内容を練っている方は、一度、そぎ落とすことに意識を向けてみてはいかがでしょうか。
-更に実践!-
それでも担当者に代わっていただけないケースは多々あるでしょう。
窓口の方とのトークで終わる際に、
「ありがとうございます。また改めて連絡させていただきます。」
と終わらせている方は、大きなチャンスを逃しているかもしれません。
チャンスをつかむための更なる実践を2つ、紹介致します。
① 必ず、担当者名の確認をすること
こちらは実践されている方も多く、テレアポ指導においてよく出てくるアドバイスではあります。
もう一つ、実践しておくと良いことがあります。2つ目まで実践している方は意外と少ないです。ここでアドバンテージをとりましょう。
② 窓口の方にもPRしたい内容の情報収集をすること
トーク例)
「お電話口の方がお分かりになる範囲で良いのですが、■■に関しての取り組みは実践されていますでしょうか?」
というように、電話をきる前に、1,2点、ヒアリングしておくと良いでしょう。
理由として、多少なりとも社内事情を知っておくことで、次回の電話の際に、お客様のニーズに合わせたトーク展開を考えやすくするためです。更に、次回の電話の際に、窓口の方が覚えてくれているケースもでてきます。そうなると、担当者に交代してくれる確率は高まるでしょう。是非、窓口の方を味方にする意識を持つと良いでしょう。
次回は、-こんな時どうする?-
「相手の断りにもめげず、必死にテレアポトークを展開しているが、断りムードの流れを変えることができない。」について、お届けいたします。
老久保 剛毅 プロフィール

トランスエージェント 講師
明治大学卒業
幼少期はシンガポールで8年、マレーシアで2年を過ごし、異文化に触れながら育つ。
株式会社内田洋行後に入社後、営業職としてオフィス移転コンサルティングを担当。
入社5年目にして、新規開拓営業専門タスクフォースの現場リーダーに抜擢される。
タスクフォースの成果として、総額5億円のオフィス移転案件のコンペを受注。飛び込み営業から大型案件をつかみとる前例のない事例が全社で注目を集め、400名の営業パーソンより優秀社員賞を受賞。
2014年オフィス業界にとどまらず、次世代を担う営業パーソンのキャリア支援を志向し独立。2016年度よりトランスエージェントの営業研修の講師をつとめる。
週末は、都内のストリートダンススクールでブレイクダンスのインストラクターとしても活動をしており、同時にダンススクールの組織開発推進の一環として人事責任者も務める。