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人をつなぐ、未来をつなぐ。 トレードオンの交渉学

Vol.84 「交渉学教科書」⑦ 統合型交渉における戦略・戦術

交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。


「交渉学教科書」⑦ 統合型交渉における戦略・戦術

引き続き、「交渉学教科書 今を生きる術」(R.J.レビスキー, D.M.サンダーズ, J.W.ミントン 著/藤田忠 監訳 各務洋子, 熊田聖, 篠原美登里 訳)をもとに、交渉についてじっくりと皆さんと学んでいきます。今回のテーマは「統合型交渉の戦略・戦術」です。火災時に冷静な避難行動をとれるかどうか。その違いが生死を分けるように、交渉の場でも「対立」ではなく「協力」を選べるかどうかが、結果の質を大きく変えます。

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【TODAY’S TOPICS】

分配型が「取り分の奪い合い」だとすれば、統合型は「新たな選択肢の共創」。
この考えを支えるのが、次に紹介される3つの要素です。

◎統合型交渉を支える3つの戦略
・自由で開かれた情報の流れをつくる
お互いの目的や背景を共有することで、真の問題に対する建設的な対話が始まる。
・相手の真の目的を理解しようと努める
 価値観や優先順位が異なる相手の要求を尊重し、目的達成の本質をつかみにいく姿勢が重要。
・共通項を強調し、相違点を最小限にする
 交渉は譲歩合戦ではなく、「共有できるゴール」を再定義するプロセス。
 そのためには、利害にはこだわりつつも、手段には柔軟になる必要があります。

◎「強者」にとっての統合型交渉の意味
・短期的勝利は長期的損失につながることがある
 無理な要求がサプライヤーの疲弊や不正を招き、結局は自社にも損失が返ってくる。
・力関係は未来に逆転することもある
 かつて子会社だった企業が、時代の流れで親会社を救う立場になるケースもあり、今の「弱者」を軽視することは、将来的な機会を失うリスクでもある。
・良き交渉者は「未来・関係性・つながり」を見る
 お互い様の精神、そして「時間軸」と「スコープ」を広げた視点を持つことが、真の交渉力につながる。

お聞きいただきありがとうございました。
交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、
「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。

◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。
著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版

◎聞く人:星野良太・人まず株式会社代表。コピーライター・講師。声の対談メディアWorkTeller主催。
著書:「コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。」

【運営】
日本交渉学協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。

【関連資格】
交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。

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