Vol.85 「交渉学教科書」⑧ 統合型交渉過程の4つの重要段階 安藤雅旺


交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。
「交渉学教科書」⑧ 統合型交渉過程の4つの重要段階 安藤雅旺
引き続き「交渉学教科書 今を生きる術』(R.J.レビスキー, D.M.サンダーズ, J.W.ミントン 著/藤田忠 監訳 各務洋子, 熊田聖, 篠原美登里 訳)をテキストに、統合型交渉の核となるプロセスを解説します。今回は「統合型交渉過程における4つの重要段階」がテーマです。問題をどのように定義し、深く理解し、代替案を創出し、最適解を選び取るのか──まさに交渉力を左右する実践ステップを学びます。
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【TODAY’S TOPICS】
◎統合型交渉過程の4つの重要段階
・問題を明らかにし、定義する
両者が受け入れ可能な中立的言葉で問題を設定し、先入観なく合意形成の土台を築く。
・問題を理解し、利害や要求を表面化させる
立場(ポジション)と利害(インタレスト)を分離し、背景にある関心事や恐れを掘り下げる。
・代替案を創出し、価値交換・創造を検討する
幅広くアイデアを出し合い(価値交換の視点/価値創造の視点)、創造的対話で新たな選択肢を共創する。
・代替案を評価し、選択・合意形成する
一覧化した選択肢を質と受容性で評価し、客観的基準に基づいた合意へと収束させる。
◎交渉アナリスト実技研修「CNPコース」のご紹介
IT業界向けに開発された交渉トレーニングを基盤に、現在では幅広い業種で活用されている実践型プログラム「CNPコース」。
以下の4フェーズと、各フェーズで使いこなす12のスキルを通じて、机上の知識を「体験」し、現場で即活用できる力を養います。
・理解フェーズ(アイスブレイク/セット・ジ・アジェンダ/アクセプト)
・共同フェーズ(チャンクダウン/構成転換/Weメッセージ)
・創出フェーズ(ブレーンストーミング/ビジュアリゼーション/スライドアウト)
・合意フェーズ(オプションセレクト/プッシュ・ザ・バック/コンセンサス)
お聞きいただきありがとうございました。
交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、
「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。
◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。
著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版
◎聞く人:星野良太・人まず株式会社代表。コピーライター・講師。声の対談メディアWorkTeller主催。
著書:「コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。」
【運営】
日本交渉学協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。
【関連資格】
交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。