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人をつなぐ、未来をつなぐ。 トレードオンの交渉学

Vol.89「交渉学教科書」⑩ 交渉準備の本質 安藤雅旺

交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。


Vol.89「交渉学教科書」⑩ 交渉準備の本質 安藤雅旺

引き続き『交渉学教科書 今を生きる術』(R.J.レビスキー, D.M.サンダーズ, J.W.ミントン 著/藤田忠 監訳 各務洋子, 熊田聖, 篠原美登里 訳)をテキストに、統合型交渉の枠組みをより深く探求します。今回は「統合型交渉を成功させる要因」というテーマを取り上げ、実際にどのような条件やマインドセットがあれば合意創出に結びつくのか──交渉の成否を分ける6つのキーファクターを学びます。

▼中国大陸からアクセスされている方はこちらからお聴きください。

▼中国大陸以外からアクセスされている方は下記サイトよりお聴きください。

【TODAY’S TOPICS】

◎計画を軽視することによる失敗の傾向
・明確な目的設定の欠如
・自分と相手の強み・弱みを理解していない
・「早く決めるだけ」では通用しない競合状況に対応できない

◎有効な計画を立てるための段取り
・対立状況と争点の分析
・争点の優先順位設定
・目標設定と限界点の把握(BATNA準備)
・論拠と情報の収集・整理
・交渉相手の分析

◎交渉準備の本質:7つの必須要素
・交渉状況に応じた基本戦略の選択
・関連する過去・類似交渉の理解
・達成したい目標と目的の明確化
・交渉の鍵となる争点と利害の特定・決定
・戦略的に目標・限界を設定する計画立案
・交渉相手の人柄・経歴・姿勢を理解し戦略に活かす
・説得力ある主張のために論拠と情報の要となるものを検討する

◎交渉準備に関する安藤氏の事例
・攻めの準備
→大手顧客の担当者と「顧客の問題解決を共にする仲間」として信頼関係を築き、社内情報や体制変化を入手。
→顧客と志を共有し、相手視点で提案を組み立てたことで交渉の優位性を確保。

・守りの準備
→BATNAのない創業当初は、「赤字にならない最低ライン(留保点)」を設定し、その範囲内で譲歩して取引を継続。
→大口顧客との間でトラブルが発生した際には、最悪の状況を想定。「取引がすべてなくなっても会社は存続できること」を確認の上、肚をくくり顧客に問題解決のための協力要請をおこなう。
 取引停止を恐れて顧客の顔色をうかがい、いいなりになるのではなく、逆に強気に出て、前向きな協力を呼びかけ、結果として問題解決&取引継続が実現。

お聞きいただきありがとうございました。
交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、
「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。

◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。
著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版

◎聞く人:星野良太・人まず株式会社代表。コピーライター・講師。声の対談メディアWorkTeller主催。
著書:「コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。」

【運営】
日本交渉学協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。

【関連資格】
交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。

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