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人をつなぐ、未来をつなぐ。 トレードオンの交渉学

Vol.101「交渉学教科書」⑮ 交渉における第三者の介入(後編) 安藤雅旺

交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。


Vol.101 「交渉学教科書」⑮ 交渉における第三者の介入(後編) 安藤雅旺

『交渉学教科書 今を生きる術』(R.J.レビスキー, D.M.サンダーズ, J.W.ミントン 著/藤田忠 監訳 各務洋子, 熊田聖, 篠原美登里 訳)のシリーズ最終章を取り上げる今回。前編に続き「第三者の介入」をテーマに、後編では調停(ミディエーション)を中心に掘り下げます。

第三者が当事者の話し合いを支援する際に求められる中立性、信頼、そして12の基本ガイドライン。さらに、調停の5段階プロセスや医療現場などでの活用事例にも触れます。日本交渉協会特別顧問であり、コンフリクトマネジメントの第一人者・鈴木有香氏の著作を引用しながら、調停の本質を整理しました。
また、江戸の落語「三方一両損」を例に、文化的背景を踏まえた合意形成のユニークな側面を紹介。

※鈴木有香さんの書籍「人と組織を強く交渉力」はコチラ
https://www.jiyu.co.jp/shakaikeizaijinbun/detail.php?eid=02858&series_id=s03

▼中国大陸からアクセスされている方はこちらからお聴きください。

▼中国大陸以外からアクセスされている方は下記サイトよりお聴きください。

【TODAY’S TOPICS】

◎調停(ミディエーション)の本質と仲裁との違い
・仲裁:第三者が解決策を提示し、当事者が従う
・調停:当事者の合意形成を第三者が支援

◎調停の12の基本ガイドライン
1.調停は当事者双方が解決案を創出する「話し合いのプロセス」である
2.ミディエーターは中立に立ち、公平に支援する
3.ミディエーターは特別な権威を持たないが、進行役としての責任を負う
4.当事者は敬意を忘れず、非難や中傷を避け、真実を述べる
5.当事者は誠意を持って原因や解決法を率直に話し合う
6.双方が納得できるウィンウィンの解決を目指す
7.問題解決の責任は当事者にあり、メディエーターは解決案を提示しない
8.法的な解説は行わない
9.メディエーターは合意を強制しない
10.合意事項の整理・文書化を助言する
11.当事者の承認なしに調停内容を公表しない
12.合意事項の実行は当事者の責任であり、メディエーターは責任を負わない

◎調停の5段階プロセス
1.儀礼交換(自己紹介・ルール確認)
2.コンフリクト提示とニーズの整理
3.相互理解の形成
4.解決策の探索と集約
5.合意書作成・終了

◎文化に根ざした事例紹介
・江戸落語「三方一両損」と第三者介入の妙

お聞きいただきありがとうございました。
交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、
「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。

◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。
著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版

◎聞く人:星野良太・人まず株式会社代表。コピーライター・講師。声の対談メディアWorkTeller主催。
著書:「コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。」

【運営】
日本交渉学協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。

【関連資格】
交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。

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