Vol.125 交渉アワード受賞事例紹介⑤「問題を障害ではなく、より良い近隣関係を築くチャンスへと変えた」

交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。
Vol.125 交渉アワード受賞事例紹介⑤「問題を障害ではなく、より良い近隣関係を築くチャンスへと変えた」
今回も「第1回交渉アワード」の受賞事例をご紹介していきます。5回目となる今回は、マンションの騒音トラブルを見事に解決した交渉事例です。相手を責めるのではなく、共感の言葉から入り、自身の費用負担という大胆な譲歩を交えて解決策を提示し、曖昧な「お互い様」という言葉を具体的なルールへと落とし込み、近隣関係を改善したスマートな交渉ストーリーです。
コメンテーターは、日本交渉協会代表理事の安藤です。
◎山本美和氏(第1回交渉アワード銅賞受賞)
・分譲マンションに居住。
・上の階の家族の子どもたちが走り回る騒音トラブルに対し、管理組合への相談から直接交渉へシフト。
・「音をゼロにするのではなく、双方の生活を尊重できるルールを作ろう」と立ち上がり、見事な価値交換で合意を得て銅賞を受賞。
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【TODAY’S TOPICS】
◎相手の防御反応を解く「共感」からのスタート
・管理組合の注意喚起でも改善せず、「子どもが小さくお互い様」と主張する相手。
・まずは「子育ては本当に大変ですよね」と相手に寄り添う言葉をかける。
・感情論になりやすい生活の問題において、冷静に相手の立場を理解することで対話の土台を作る。
◎被害の具体化と解決策を「セット」で提示する巧みさ
・「夜9時頃のリビング中央の音」とピンポイントで発生源を伝達。
・費用を負担するので「ジョイントマット」を敷かないかという解決策を提示。
・常識を捨て、自身の生活の質を取り戻すための「投資」と捉え直す大胆な譲歩。
◎「夜間の静寂」と「日中の寛容」の価値交換
・マットを敷くだけでなく、「夜9時以降は走らない」という具体的なルールも提案。
・代わりに「日中は多少の音を気にしない」と寛容さを示し、相手の納得度を高める。
・お互いにとって受け入れやすい提案を重ね、納得できる「感情の着地点」を見つけ出す。
◎対立を協力関係へと変えたスマートな着地
・結果として夜間の騒音は劇的に減少し、山本さんは精神的な平穏を取り戻す。
・相手側も近隣トラブルの加害者という罪悪感から解放され、配慮に感謝。
・問題を単なる障害として終わらせず、より良い近隣関係を築くチャンスへと変えた交渉事例。
お聞きいただきありがとうございました。
交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、
「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。
◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。
著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版
◎聞く人:星野良太・人まず株式会社代表。コピーライター・講師。声の対談メディアWorkTeller主催。
著書:「コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。」
【運営】
日本交渉学協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。
【関連資格】
交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。





