Vol.124 交渉アワード受賞事例紹介④「不安から安心へ:指定管理者制度導入をめぐる交渉の軌跡」

交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。
Vol.124 交渉アワード受賞事例紹介④「不安から安心へ:指定管理者制度導入をめぐる交渉の軌跡」
引き続き、日本交渉協会が開催した「第1回交渉アワード」の受賞事例をご紹介していきます 。今回のコメンテーターは、日本交渉協会代表理事の安藤です 。
今回ご紹介するのは、見事「銅賞」を受賞した、市民病院の職員組合執行委員長を務める橋本さんの交渉事例です。指定管理者制度の導入という組織の大きな転換期において、職員が抱く巨大な不安を「安心」へと変え、対立を超えて「地域医療を守る」という共通の目的に向かって合意を導き出したエピソードをご紹介します。
◎橋本英幸氏(第1回交渉アワード銅賞受賞)
● 市民病院の職員組合執行委員長。
● 指定管理者制度導入に伴う雇用・処遇の激変に対し、約400名の組合員の生活を守るための交渉に挑む。
● 「交渉とは、対立を超えて人と人とを結びつける懸け橋であり、未来を切り開くための知恵であり希望」と定義し、銅賞を受賞。
▼中国大陸からアクセスされている方はこちらからお聴きください。
▼中国大陸以外からアクセスされている方は下記サイトよりお聴きください。
【TODAY’S TOPICS】
◎ 組織の転換期に渦巻く「巨大な不安」との対峙
・指定管理者制度導入の決定により、現場に広がる「雇用継続」や「退職金」への深刻な懸念 。
・当局から最初に示された不透明な処遇案に対し、「職員の人生に影響が出る」というリーダーとしての強い危機感 。
・「反対を唱えるだけでは解決しない」と、現実を踏まえた合意点を見出すための対話を決意 。
◎ 相手を「地域医療を守る仲間」と捉え直す対話の姿勢
・十数回に及ぶ難航する協議の中、感情に流されず相手の立場を尊重し、理解を求める工夫に注力 。
・数字や制度の細部ではなく、そこで働く職員一人ひとりの「顔」と「生活」を軸に据えた訴え 。
・組合員からの「委員長がいるから頑張れる」という一通のメールを支えに、膠着状態の扉を押し開く 。
◎ 粘り強い合意形成がもたらした「安心」という成果
・給与だけでなく、退職金、福利厚生、育児支援など幅広いテーマで誠実な意見交換を継続 。
・勤務年数や経験への配慮、不利な条件の見直しなど、当初の案を大きく上回る具体的な改善を勝ち取る 。
・「相手を打ち負かすのではなく、双方が納得できる答えを探す」交渉の本質の体現 。
お聞きいただきありがとうございました。
交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、
「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。
◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。
著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版
◎聞く人:星野良太・人まず株式会社代表。コピーライター・講師。声の対談メディアWorkTeller主催。
著書:「コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。」
【運営】
日本交渉学協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。
【関連資格】
交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。





