Vol.68 孫子で読む交渉学① 窪田恭史


交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。
孫子で読む交渉学① 窪田恭史
今回のゲストは日本交渉協会常務理事、ナカノ株式会社代表取締役の窪田恭史氏です。今回から毎月定期的に「孫子で読む交渉学」をテーマにお話いただく予定です。
◎窪田恭史氏のご経歴
日本交渉協会常務理事/燮会幹事
ナカノ株式会社 代表取締役
日本古着リサイクル輸出組合理事長
表情分析、FACS認定コーダー
日本筆跡心理学協会、筆跡アドバイザーマスター
早稲田大学政治経済学部卒。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)におけるコンサルティングおよび研修講師業務を経て、衣類のリサイクルを90年手がけるナカノ株式会社に入社。2024年より代表取締役社長。
2012年、交渉アナリスト1級取得。
日本交渉協会燮会幹事として、交渉理論研究を担当。
「交渉分析」という理論分野を日本に紹介、交渉アナリスト・ニュースレターにて連載中。
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【TODAY’S TOPICS】
◎「孫子」とは
・2500年前に書かれた最古の兵法書
・「計篇」から「用間篇」の全13篇
・「戦争の書」ではなく「価値創造の書」として読み解くことで、有益なものに
◎「計篇」の3つの要点
①戦争はみだりにおこなうべきではない
②勝利に直結する要因を普段から調べ、強み弱みを把握しておく
③戦争は騙し合いであるため、現場指揮官が臨機応変に動ける環境を整えておく
◎交渉学との関連
①戦争はみだりにおこなうべきではないが、交渉は積極的におこなう価値がある
②勝利に直結する要因調査・準備(Set Up)は交渉においても重要
③戦争における騙し合いのように、交渉にも駆け引きや探り合いが含まれる
◎「五事」と「七計」と交渉学の関連
・五事:天(天候・時節)、地(地形)、道(国のまとまり)、将(指揮官の能力)、法(法律・制度)の5つ
→交渉においては、情報・個性・立場・人間関係・文脈など
・七計:君主や将、兵士や国民の能力、法秩序など7要素による比較
→利害・BATNA・パートナー関係・選択肢・正当性・コミュニケーション・コミットメント
※参考文献:『最新ハーバード流 3D交渉術』(デイビッド・A・ラックス、ジェームズ・K・セベニウス著 / CCCメディアハウス)
お聞きいただきありがとうございました。
交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、
「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。
◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。
著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版
◎聞く人:星野良太・人まず株式会社代表。コピーライター・講師。声の対談メディアWorkTeller主催。
著書:「コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。」
【運営】
日本交渉学協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。
【関連資格】
交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。