Vol.104 史記で読む交渉学①「鴻門の会」前編 安藤雅旺


交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。
Vol.104 史記で読む交渉学①「鴻門の会」前編 安藤雅旺
「交渉学教科書」シリーズに続く新企画。今回は「史記」を手がかりに、歴史の名場面から交渉の本質を読み解きます。初回は、楚漢戦争の帰趨を左右した「鴻門の会」に入る前提整理。司馬遷が「史記」を編み上げるに至った背景、秦末の混乱、そして項羽と劉邦の性格対比が、のちの交渉の運命をどう形づくったのかを押さえます。
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【TODAY’S TOPICS】
◎企画のねらい
・歴史エピソードから「交渉の型」を抽出
・物語→要因→原理の順に分解して実務に持ち帰る
◎『史記』と司馬遷の視座
・父の遺志を継ぎ、宮刑を経ても編纂を続けた執念
・人物中心の叙述=意思決定と関係性にフォーカス
◎秦の統一と崩壊(前提整理)
・法家一辺倒+苛政で「恐怖の秩序」に依存
・情報遮断と現場乖離→反乱の連鎖へ
・短命政権の教訓「支配はできても合意は育たない」
◎楚漢の幕開けと二人のキャラ設計
・項羽=即断即決・名誉重視・威信で押す
・劉邦=目的可変・関係重視・逃げの設計も武器
→同じ目的でも「何を重視するかの優先順位」と「交渉スタイル」が真逆
◎始皇帝を前にした「ひと言」の読み方
・項羽「取って代わるべき」=衝動と覇気の自己開示
・劉邦「男子たるもの、かくあるべし」=抱負を示しつつ曖昧さを残す
→短い発話ににじむ、合意形成の作法の差
お聞きいただきありがとうございました。
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◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。
著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版
◎聞く人:星野良太・人まず株式会社代表。コピーライター・講師。声の対談メディアWorkTeller主催。
著書:「コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。」
【運営】
日本交渉学協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。
【関連資格】
交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。