Vol.111 孫子で読む交渉学⑫「軍争篇」その2 窪田恭史

交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。
Vol.111 孫子で読む交渉学⑫「軍争篇」その2 窪田恭史
日本交渉協会常務理事でありナカノ株式会社代表取締役の窪田恭史氏をゲストに迎え、「孫子の兵法で読む交渉学」シリーズ。今回は「軍争篇(ぐんそうへん)その2」です。
軍争篇は「戦場そのものを組み替える」ための篇とも言われます。前回は「迂直の計」を中心に、どう状況を逆転させるかを見てきましたが、今回はそこから一歩踏み込み、「敵のBATNA(バトナ)が強い状況で、どうやって主導権を奪い返すか」という視点で深掘りしていきます。
◎窪田恭史氏のご経歴
日本交渉協会 常務理事/燮(やわらぎ)会 幹事
ナカノ株式会社 代表取締役
日本古着リサイクル輸出組合 理事長
表情分析、FACS認定コーダー
日本筆跡心理学協会 筆跡アドバイザーマスター
早稲田大学政治経済学部卒。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)でのコンサル業務を経てナカノ株式会社に入社、2024年より現職。「交渉分析」理論の日本への導入にも尽力。
▼中国大陸からアクセスされている方はこちらからお聴きください。
▼中国大陸以外からアクセスされている方は下記サイトよりお聴きください。
【TODAY’S TOPICS】
◎アメリカと中国の知的財産権交渉事例
・中国市場におけるアメリカの知的財産権侵害が深刻化。
・1993年から95年、米中知財交渉が開始も、交渉を担った通商代表部バーシェフスキーは「四面楚歌」状態からスタート。
・中国側のつよいBATNA:中国自身、また日本やヨーロッパ、アジアの新興国と言った競合の存在
・バーシェフスキーは利害関係者を国内・国外・中国と複数のフロントに分け、それぞれに響く別々のメッセージで支持を形成(アコースティックセパレーション)。
対国民→知的財産権はアメリカの競争力の源泉
対同盟国→中国に知的財産を守らせることこそ、自国への悪影響を避ける唯一の道
・周囲の支持や中立関係を作ったうえ、WTO加盟も材料として交渉を優位に進める。
・中国に完全降伏を迫らず、地方政府に問題を転嫁する形でメンツを保てる出口を残した。
お聞きいただきありがとうございました。
交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、
「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。
◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。
著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版
◎聞く人:星野良太・人まず株式会社代表。コピーライター・講師。声の対談メディアWorkTeller主催。
著書:「コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。」
【運営】
日本交渉学協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。
【関連資格】
交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。





