Vol.106 史記で学ぶ交渉学③「鴻門の会」後編 安藤雅旺


交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。
Vol.106 史記で学ぶ交渉学③「鴻門の会」後編 安藤雅旺
「史記」を手がかりに、歴史の名場面から交渉の本質を読み解く「史記で学ぶ交渉学」シリーズ第3回。『鴻門の会』後編として、酒宴の座次、項荘の剣舞、項伯・樊噲の動き、そして劉邦の退避までの経過をたどります。
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【TODAY’S TOPICS】
◎酒宴の流れ
・劉邦は南に座し北を向く/対面に范増。上座となる劉邦の左(西)に項伯・項羽、右(東)に張良。
・范増がたびたび「今ここで討つべし」と合図するが、項羽は応じず酒宴を続ける。
・范増は項荘に「余興の剣舞を舞い、そのまま劉邦を討て」と指示。
・項羽の叔父・項伯が対抗して剣舞に加わり、劉邦の身を実質的に庇う。
・張良に呼ばれた樊噲が酒席へ突入し、項羽に名乗り出て酒を勧められ一気に飲み干す。
・劉邦は「厠へ行く」と言い席を外し、樊噲に伴われて自陣へ逃帰。
◎鴻門の会以降の流れ
・鴻門の会が分岐点となり、のちに劉邦は力を蓄え形勢逆転、最終的に項羽を滅ぼし漢を建てる。
・鴻門の会で劉邦を取り逃がしたことを范増が悔しがった、という。
◎交渉学観点からのポイント
・窮地では「軍門に下る」「回避する」といった選択が重要な場合がある。
・信頼関係の厚い仲間(張良・樊噲など)の存在が局面転換に寄与する
お聞きいただきありがとうございました。
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◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。
著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版
◎聞く人:星野良太・人まず株式会社代表。コピーライター・講師。声の対談メディアWorkTeller主催。
著書:「コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。」
【運営】
日本交渉学協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。
【関連資格】
交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。