営業力強化につながるパーソナルスキルvol.14

本コラムは営業経験が2年から5年程度のB to B営業人材を対象にお送りするコラムです。時代の流れとともに営業のやり方は変わっていきますが、営業の本質である「量×質」という法則についてはいつの時代も変わりません。本コラムでは、営業力強化につながるパーソナルスキルについてお伝えしていきます。

前回より、目標達成体質となるために必要なパーソナルスキルについてお伝えしております。第2回となる今回は、目標設定スキルについて解説します。

毎年営業パーソンは、経営から目標数値が課せられると思います。設定対象の数値は各組織で違いがあると思いますが、今回は売上高に絞って説明します。

目標設定時のポイントは、分解することです。
売上高は、営業人材が受注する案件1つ1つの積み上げでしかありません。目標売上を見た際に「こんな大きな数字を達成するのなんて無理だ・・・」と考える前に、必要受注案件数に分解して考えることが必要です。
目標達成できない方は、①目標達成に必要な案件獲得数及び行動量が明確になっていない②計画を立てていないことが多いです。
今回は非常に簡単ではありますが、目標設定時に営業パーソンがやるべきことを3つのステップに分けて説明します。

STEP1:継続受注できる案件を積み上げたら売上高がいくらになるのか?
まずは、継続受注できる案件がいくつあり、売上高が合計いくらになるのかを見極めます。
扱っている製品・サービスがフロー型かストック型で見極め方が少し変わります。

-フロー型の場合
1.前年と同製品・サービスを継続受注できる案件がどれくらいあるのかを見極めます。
⇒研修ビジネスの場合は、その研修が顧客のキーマンから評価されていること、同じ研修を受講する対象者がいることが見極めるポイントになるかと思われます。
2.前年と同製品・サービスの継続受注が不可能な場合、別の製品・サービスが提案できるのかを見極めます。
⇒研修ビジネスの場合は、同じ受講対象者に対して別の研修が提案できないか(比較的案件化しやすい)、その他の対象者に対してニーズがあるのかが見極めるポイントになるかと思われます。
3.1.2.より受注確率の高い案件を積み上げたらいくらになるのかを確認します。

-ストック型の場合
1.契約中案件の中で、解約リスクのある案件を洗い出し、それ以外の案件で売上高がいくらになるのかを見極めます。
2.解約リスクが高い会社に対して解約防止作を検討します。
売上見込を考える際には、希望的見込みは入れない方が良いので2.で検討された解約防止策がどれだけ良い内容だったとしても、継続受注見込み売上高については1.のみとしたほうが良いです。

また、継続受注金額を算出する際に、リピート率で単純計算することはおすすめできません。リピート率の計算を社数ベースで計算していることが多いからです。例えば前年の売上高が1,000万円で、リピート率が90%だから継続受注見込みを900万円とすることは非常に危険です。なぜなら各社で取引額が違うからです。もし10社と取引していて、1社失注したらリピート率は90%ですが、その会社が売上高の半分を占めていた場合、継続受注金額は半分になってしまうからです。こういうことからも、継続受注案件の見極めについては1社1社見極める必要があるのです。

STEP2:目標金額との差から、必要獲得案件数まで落とし込む
おそらく、継続受注案件だけで目標金額に達することは無いと思われます。次のように、必要獲得案件獲得数まで落とし込みます。
1.STEP1で算出した受注見込み金額と目標金額との差額を算出する。
2.直近の受注案件単価から最低必要受注案件数を算出する。
3.獲得目標案件数を設定する。※諸説ありますが、一般的には倍に設定することが良いとされています。

STEP3:営業行動計画を立てる
B to Bの営業においては、案件獲得から受注まで時間がかかります。そのため、平均案件化から受注までの期間を元に、STEP2で設定した獲得目標案件数をいつまでに達成しないといけないか、その前にどれだけ接触しなければならないのかを計画する必要があります。
もし、案件獲得から受注までの時間が6ヶ月かかるのであれば、少なくとも年初から6ヶ月後には獲得目標案件数に達しておく必要があります。
マインドとしては、年初のときに12ヶ月あるからまあ昨年同様やっていけばいいや・・・ではなく、市況の変化もあるかもしれないから半期が終わった頃には売上目標のほとんどが揃っている状況としなければ!と危機感を持っておいたほうが良いかと思われます。

今回の内容が目標設定に対して苦手意識のある方に対して参考になれば幸いです。


筧 裕介 プロフィール

トランスエージェント上海 総経理

愛知県出身 信州大学卒業

大学卒業後役者となるため劇団ひまわりに入団。
その後は舞台を中心にドラマ、レポーター、イベントMCなど多岐にわたって活動をする。

09年トランスエージェントに参画し、同年7月末に上海赴任。
10年には営業人材適性診断「王牌」や営業人材向け勉強会「王牌商道会」を立ち上げ、中国日系企業の営業人材の採用・育成のサポートを開始する。

2014年に総経理に就任し、現在は産業材市場に特化したウェブマーケティング支援及び営業組織管理支援(SFA導入)まで事業領域を拡大し、中国進出日系企業に対してB to B営業・マーケティング支援事業を展開している。


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