営業人のための一問一答で学ぶ!財務知識vol.2

第2回 「決算書」って名前の書類が見当たらないのです。

このコーナーでは、営業人の方にぜひ知っていただきたい会計・財務の基礎知識を、質問形式で解説します。皆さんが部下や後輩から同じような質問をされたとき、ちゃんと回答できるか、自問自答しながらお読みください。このコーナーを毎月コツコツと読み続けていただけば、気づいたときには会計・財務に強い営業人になっているはずです。

Q.会社の棚に保管してあるはずの取引先の「決算書」を探しているのですが、「決算書」って名前の書類が見当たらないのです。決算書って、もしかして正式名称じゃないのですか?

取引先から決算書をもらったとき、「決算書」と書いてないからといって、「これ決算書ですか?」などと言ったら恥をかきます。一般に以下の4つが「決算書」と呼ばれます。
①「事業報告・計算書類
会社が株主に郵送する「株主総会の招集通知」に添付されているものです。
②「決算報告書
企業が株主総会後に税務署に提出する税務申告書に添付されているものです。
③「決算短信
株式上場している会社が、期末日から45日以内に発表するものです。なお、実際には四半期ごとに決算短信を発表しますので、1年に4回も決算短信を発表しています。
④「有価証券報告書
株式上場している会社が、株主総会後に金融庁に提出するものです。この「有価証券報告書」はすべての決算書のなかで一番分厚くて、内容が細かいものです。

決算書の名前は覚えなくても良いので、以下のポイントだけ知っておきましょう。
(1) 非上場会社は①「事業報告・計算書類」と②「決算報告書」しかありません。だから、上場していない中小企業に「決算短信と有価証券報告書をください」と言ってはいけません。
(2)  ③「決算短信」と④「有価証券報告書」は上場会社のホームページで簡単にダウンロードできます。だから、上場会社を訪問する前に見ておけば話のネタになります。
(3) ③「決算短信」にだけ、「来期の業績予想」の記載があります。決算短信で増収増益の発表をした取引先には、取引拡大を提案できるかもしれません。

今日のキーワード:事業報告書・計算書類、決算報告書、決算短信、有価証券報告書


望月 明彦 プロフィール

トランスエージェント講師
特定非営利活動法人 日本交渉協会 常務理事

■公認会計士 ・ 交渉アナリスト

≪役職等≫
・ 望月公認会計士事務所 代表 (現任)
・ 日本交渉協会 常務理事 (現任)
・ ディップ株式会社監査役 (東証1部上場)(現任)
・ アイビーシー株式会社監査役(東証1部上場)(現任)
・ 日本公認会計士協会東京会 研修委員会 副委員長(2010~2014)
・ 経済産業省コンテンツファイナンス研究会 委員(2002~2003)

≪略 歴≫
早稲田大学政治経済学部卒。
監査法人トーマツを経て、慶応義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)修了。
その後、上場企業の経営企画部長として資本政策の立案・実施、合弁会社の設立、各種M&Aなどを手掛ける。
さらに、アーンストアンドヤングの日本法人にて上場企業同士の経営統合のアドバイザー等を務める。
2010年より望月公認会計士事務所代表。日本交渉協会常務理事。


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