営業人のための一問一答で学ぶ!財務知識vol.4

第4回 「株主総会」って何ですか?

このコーナーでは、営業人の方にぜひ知っていただきたい会計・財務の基礎知識を、質問形式で解説します。皆さんが部下や後輩から同じような質問をされたとき、ちゃんと回答できるか、自問自答しながらお読みください。このコーナーを毎月コツコツと読み続けていただければ、気づいたときには会計・財務に強い営業人になっているはずです。

Q.もうすぐうちの会社の株主総会で、いろいろ準備を手伝っています。実は今さら誰にも聞けなくて困っていたのですが…、株主総会って一体何ですか?

 株主総会は、文字通り、会社の株主が集まって様々な報告や決議を行う場ですが、その意味合いを、あるA氏の「会社設立」のプロセスから考えてみましょう。
 画期的な製品のアイデアがあるA氏は、事業計画を見せながら出資者を探したところ、大金持ちのX氏が出資してくれることになりました。
 A氏は会社を設立し、X氏に出資してもらったお金(資本金)で機械を購入し、従業員を雇い、広告をして、製品を売りはじめました。
 そして1年たったとき、株主総会を開きます。X氏とA氏は1年ぶりの再会です。この場で、社長のA氏は株主のX氏に対し、説明して納得してもらうべきことが3つあります。
 一つ目は「業績」です。A氏は、この1年間の業績を説明し承認してもらいます。売上がどの程度で、利益がどの程度出たか、といったことです。
 二つ目は「配当金額」です。A氏がこの1年の利益から一部をX氏に配当として払うのですが、その金額をX氏に提示し、納得してもらうわけです。
 三つめは「来年度の経営陣(取締役・監査役)」です。A氏は自分が来年度も取締役を続けていきたいと提案し、X氏がそれを承認します。
 このように、「会社」は、アイデアマンである経営者が、株主に元手を出してもらう仕組みであり、「経営者」と「お金持ち」をつないで世の中に事業を創り出す仕組みなのです。
 これを聞くと、「えっ、会社で一番偉いのは社長だと思っていたけど、実は株主が社長を決めていたの?」と思いますよね。
 その通りです。だから、業績が悪いときは、社長が株主から質問攻めにあうわけです。
 皆さんは日々、上司である取締役から営業成績について詰められているかもしれませんが、皆さんが取締役になったら、今度は株主に「詰められる」わけです。
 なお、多くの中小企業は株主イコール社長です。つまりA氏=X氏なのです。このような社長をオーナー社長などとも言います。

今日のキーワード:株主総会、株主、取締役、オーナー社長


望月 明彦 プロフィール

トランスエージェント講師
特定非営利活動法人 日本交渉協会 常務理事

■公認会計士 ・ 交渉アナリスト

≪役職等≫
・ 望月公認会計士事務所 代表 (現任)
・ 日本交渉協会 常務理事 (現任)
・ ディップ株式会社監査役 (東証1部上場)(現任)
・ アイビーシー株式会社監査役(東証1部上場)(現任)
・ 日本公認会計士協会東京会 研修委員会 副委員長(2010~2014)
・ 経済産業省コンテンツファイナンス研究会 委員(2002~2003)

≪略 歴≫
早稲田大学政治経済学部卒。
監査法人トーマツを経て、慶応義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)修了。
その後、上場企業の経営企画部長として資本政策の立案・実施、合弁会社の設立、各種M&Aなどを手掛ける。
さらに、アーンストアンドヤングの日本法人にて上場企業同士の経営統合のアドバイザー等を務める。
2010年より望月公認会計士事務所代表。日本交渉協会常務理事。


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