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営業人のための一問一答で学ぶ!財務知識

Vol.22 会計が得意な営業社員になるにはどうしたら良いでしょうか?

いよいよ最終回です。今回はこれまでの総まとめとして、会計が得意な営業社員になる方法をご紹介します。

Q.「最近、会計に少し興味が出てきて、その重要性も分かってきたのですが、なかなか会計を勉強する時間がありません。どうしたら会計が得意な営業社員になれるでしょうか?」

多忙な営業社員の皆さんが会計の勉強時間を確保するのは難しいでしょう。勉強する時間があっても、難解な言葉が並び、全く面白味がない会計の本はすぐに飽きてしまいます。
さて、ここで、皆さんは京セラの創業者の稲盛和夫さんをご存知でしょうか。京セラはアメーバ経営で知られるように、独自の会計の仕組みで成功しました。稲盛さんは会計の専門家ではありませんが、まだ京セラが小さなベンチャー企業だったころから、会計を知らないと会社経営はできないと感じ、自ら経理部長を捕まえては熱心に会計を教わったそうです。それも、ただ教えてもらうというスタンスではなく、納得できないことは徹底的に反論し、議論を交わして納得しようとされたようです。
会計の勉強は、この稲盛さんの方法が一番効率的です。会計に詳しい経理担当者を捕まえて、納得できるまで教えてもらうのです。もし、皆さんが経理部長や経理課長と話ができる関係であれば彼らを捕まえるのがもっとよいでしょう。
例えば、雑誌の会計の記事の意味がわからなかったら、経理部に行き、知り合いの経理担当者を捕まえて説明してもらうのです。知ったかぶりせず、分からない言葉は全て質問します。こんなことを何回か繰り返すと、だんだん会計用語に慣れてきて、会計の思考パターンが見えてきます。そして経理担当者と会計用語で会話ができていることに気づくはずです。
「そんなことをしたら、経理の担当者に迷惑だから…」なんて思ったかもしれませんが、そんなことはありません。月末・月初のような繁忙期は迷惑ですが、それ以外の時間であれば、むしろ経理担当者は喜びます。何しろ営業社員が自分を頼って質問に来ているわけですから。あなたが経理部から帰った後は、経理部内はちょっとした騒ぎです。「君とあの営業さんはどういう関係なんだ?」、「あの営業さんはなぜ会計を勉強しようとしているんだ?」、「ちょっと他の営業とは違うぞ!将来が楽しみだ!」と言った具合です。是非、経理部にこまめに通って、顔を売ってみてください。営業の皆さんなら顔を“売る”のも得意なはずです。

これで「営業人のための一問一答で学ぶ!財務知識」は終了です。最後までお読みくださりありがとうございます。少しでも会計が面白そうだな、と思っていただければ幸いです。皆さんが会計を武器に活躍されることを、陰ながら祈りつつ、終わりにしようと思います。


望月 明彦 プロフィール

トランスエージェント講師
特定非営利活動法人 日本交渉協会 常務理事

■公認会計士 ・ 交渉アナリスト

≪役職等≫
・ 望月公認会計士事務所 代表 (現任)
・ 日本交渉協会 常務理事 (現任)
・ ディップ株式会社監査役 (東証1部上場)(現任)
・ アイビーシー株式会社監査役(東証1部上場)(現任)
・ 日本公認会計士協会東京会 研修委員会 副委員長(2010~2014)
・ 経済産業省コンテンツファイナンス研究会 委員(2002~2003)

≪略 歴≫
早稲田大学政治経済学部卒。
監査法人トーマツを経て、慶応義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)修了。
その後、上場企業の経営企画部長として資本政策の立案・実施、合弁会社の設立、各種M&Aなどを手掛ける。
さらに、アーンストアンドヤングの日本法人にて上場企業同士の経営統合のアドバイザー等を務める。
2010年より望月公認会計士事務所代表。日本交渉協会常務理事。


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