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営業人のための一問一答で学ぶ!財務知識

Vol.17 営業利益って何ですか?営業社員が稼いだ利益ですか?

このコーナーでは、営業人の方にぜひ知っていただきたい会計・財務の基礎知識を、質問形式で解説します。皆さんが部下や後輩から同じような質問をされたとき、ちゃんと回答できるか、自問自答しながらお読みください。このコーナーを毎月コツコツと読み続けていただけば、気づいたときには会計・財務に強い営業人になっているはずです。

Q.「テレビで、上場企業の営業利益が何億円になった、というニュースを見たのですが、営業利益って営業社員が稼いだ利益のことですか?」

ご質問のとおり、テレビのニュースで上場企業の営業利益が報道されることがありますが、このときアナウンサーは、「本業の儲けである営業利益が何億円となりました」という言い方をします。すなわち、営業利益は企業の「本業の儲け」を示すのです。

ここで、以下の損益計算書(P/L)を見ると、「売上高1,000万円」から「売上原価700万円」を差引いて「売上総利益300万円」が求められ、そこから「販売費及び一般管理費200万円」を差引いて「営業利益100万円」が算出されています。「販売費及び一般管理費」は、販売のための費用と本社の管理費用です。管理費用とは会社の全部門の「経費」のことです。

すなわち、営業利益とは、営業社員が生み出した利益ではなく、工場、購買部、企画部、人事部、経理部、総務部など、会社の全部門が生み出した利益なのです。

ここで、企業の本業の儲け、すなわち全部門が生み出した利益が“営業”利益、ということは、営業部門の“営業”という言葉は、単に「商品を売る」という意味ではなく、「会社の本業」そのものという意味合いがあるといえそうです。営業人は単なる「販売部門」の「販売員」ではないのです。営業人は会社の全部門のことを分かっているべきなのです。


望月 明彦 プロフィール

トランスエージェント講師
特定非営利活動法人 日本交渉協会 常務理事

■公認会計士 ・ 交渉アナリスト

≪役職等≫
・ 望月公認会計士事務所 代表 (現任)
・ 日本交渉協会 常務理事 (現任)
・ ディップ株式会社監査役 (東証1部上場)(現任)
・ アイビーシー株式会社監査役(東証1部上場)(現任)
・ 日本公認会計士協会東京会 研修委員会 副委員長(2010~2014)
・ 経済産業省コンテンツファイナンス研究会 委員(2002~2003)

≪略 歴≫
早稲田大学政治経済学部卒。
監査法人トーマツを経て、慶応義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)修了。
その後、上場企業の経営企画部長として資本政策の立案・実施、合弁会社の設立、各種M&Aなどを手掛ける。
さらに、アーンストアンドヤングの日本法人にて上場企業同士の経営統合のアドバイザー等を務める。
2010年より望月公認会計士事務所代表。日本交渉協会常務理事。


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