営業人のための一問一答で学ぶ!財務知識vol.8

第8回 B/SとP/Lって何ですか? 読めないとマズイですか?

このコーナーでは、営業人の方にぜひ知っていただきたい会計・財務の基礎知識を、質問形式で解説します。皆さんが部下や後輩から同じような質問をされたとき、ちゃんと回答できるか、自問自答しながらお読みください。このコーナーを毎月コツコツと読み続けていただければ、気づいたときには会計・財務に強い営業人になっているはずです。

Q.「営業社員だって、B/S とP/Lぐらい読めないとだめだ!」って言われたのですが、B/S とP/Lって何ですか? やっぱり読めないとマズイですか?

B/SとP/Lの意味合いと違いを、こんな事例で考えてみましょう。
あなたが友人から「お金を貸してほしい」と言われらどうしますか? その友人にお金を貸す前に、彼について「2つのこと」を徹底的に調べるべきです。
1つ目は、その友人の「財産」です。彼がたくさんの預金や高級車を持っていれば安心ですが、逆に借金があるようなら心配です。このように「財産」や「借金」を表したものがB/S(貸借対照表)です。B/Sを見れば、その友人または企業の「財産」の中身がわかるのです。
2つ目は、その友人の「毎年の収入」です。その友人が、ちゃんと働いていて、毎月、給料(収入)をもらっているようであれば安心です。このように「収入」を表したものがP/L(損益計算書)です。P/Lを見れば、その友人または企業の毎年の「収入」が分かるのです。

B/S( 貸借対照表) :今、財産や借金がいくらあるか?
P/L(損益計算書) :1年で、収入がどれくらいあるか?

さてここで、B/Sは良いがP/Lは悪い、逆にP/Lは良いがB/Sは悪い、というチグハグが起こります。想像つきますか?
例えば、親の莫大な遺産を相続した息子が、仕事もせずにプラプラと遊んでいたら、彼のB/Sは素晴らしいが、P/Lは全然ダメということです。
逆に、毎年3千万円もの給料をもらっているのに、金遣いが荒くて、借金まみれで明日にも自己破産しそうだとしたら、彼のP/Lは素晴らしいが、B/Sはひどい、ということです。
営業人の皆さんは、取引先の与信管理を行いますから、このように企業や取引相手の支払い能力を分析する力は必須です。だから、B/SとP/Lを読めないとマズイのです。
ただ、営業人の皆さんには、その企業や取引相手の「お金」だけではなく、「人格」を見抜く力こそ、実は最も大切なのかもしれません。


望月 明彦 プロフィール

トランスエージェント講師
特定非営利活動法人 日本交渉協会 常務理事

■公認会計士 ・ 交渉アナリスト

≪役職等≫
・ 望月公認会計士事務所 代表 (現任)
・ 日本交渉協会 常務理事 (現任)
・ ディップ株式会社監査役 (東証1部上場)(現任)
・ アイビーシー株式会社監査役(東証1部上場)(現任)
・ 日本公認会計士協会東京会 研修委員会 副委員長(2010~2014)
・ 経済産業省コンテンツファイナンス研究会 委員(2002~2003)

≪略 歴≫
早稲田大学政治経済学部卒。
監査法人トーマツを経て、慶応義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)修了。
その後、上場企業の経営企画部長として資本政策の立案・実施、合弁会社の設立、各種M&Aなどを手掛ける。
さらに、アーンストアンドヤングの日本法人にて上場企業同士の経営統合のアドバイザー等を務める。
2010年より望月公認会計士事務所代表。日本交渉協会常務理事。


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