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営業人のための一問一答で学ぶ!財務知識

Vol.19 取引先の人がケイツネって言うんですが、ケイツネって何?

このコーナーでは、営業人の方にぜひ知っていただきたい会計・財務の基礎知識を、質問形式で解説します。皆さんが部下や後輩から同じような質問をされたとき、ちゃんと回答できるか、自問自答しながらお読みください。このコーナーを毎月コツコツと読み続けていただけば、気づいたときには会計・財務に強い営業人になっているはずです。

Q.「取引先の人が、ケイツネがいくらになったって言うんですが、ケイツネって何ですか?もしかしてケーツネ?圭祐?それともケツメイシ?」

ビジネスの現場で「ケイツネ」という言葉を聞くことがあります。ケイツネという言葉を知らないと「えっ?ケーツネ?」「えっ?圭祐?」などと思うかもしれません。
この「ケイツネ」は人の名前でも、音楽グループの名前でもないのです。損益計算書の「経常利益(けいじょうりえき)」を省略した言葉なのです。以下の損益計算書をご覧ください。営業利益に営業外収益を加算して、営業外費用を差し引いた利益が経常利益です。

さて、この経常利益という文字をよく見てみると、「経常」、「常に」という文字が入っています。すなわち経常利益とは「経常的に稼げる利益」「常にこれぐらいは出せる利益」という意味合いなのです。この経常利益を日本人は大好きでとても重要視しています。なぜなら、経常利益がマイナスだったら、毎期常に赤字になる会社ってことですから大変です。
ビジネスの現場で経常利益は重要視されますが、実は「経常利益」は日本にしかない利益概念だと言われており、海外の損益計算書にはない利益なのです。
「ケイツネ」のような慣れない新しい言葉が出てくると財務が嫌になりそうですが、実際に自分で使ってみるとすぐ自分のものになります。皆さんも是非、何かの機会に「ケイツネいくらですか?」と言ってみましょう。でも、略し間違えて「ケイジョウいくらですか?」と言ってはいけません。「ケイジョウって、何の形状ですか?」と言われてしまいます。


望月 明彦 プロフィール

トランスエージェント講師
特定非営利活動法人 日本交渉協会 常務理事

■公認会計士 ・ 交渉アナリスト

≪役職等≫
・ 望月公認会計士事務所 代表 (現任)
・ 日本交渉協会 常務理事 (現任)
・ ディップ株式会社監査役 (東証1部上場)(現任)
・ アイビーシー株式会社監査役(東証1部上場)(現任)
・ 日本公認会計士協会東京会 研修委員会 副委員長(2010~2014)
・ 経済産業省コンテンツファイナンス研究会 委員(2002~2003)

≪略 歴≫
早稲田大学政治経済学部卒。
監査法人トーマツを経て、慶応義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)修了。
その後、上場企業の経営企画部長として資本政策の立案・実施、合弁会社の設立、各種M&Aなどを手掛ける。
さらに、アーンストアンドヤングの日本法人にて上場企業同士の経営統合のアドバイザー等を務める。
2010年より望月公認会計士事務所代表。日本交渉協会常務理事。


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