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営業人のための一問一答で学ぶ!財務知識

Vol.20 経常利益は経常的な利益と言うけど、経常的ってどういうこと?

このコーナーでは、営業人の方にぜひ知っていただきたい会計・財務の基礎知識を、質問形式で解説します。皆さんが部下や後輩から同じような質問をされたとき、ちゃんと回答できるか、自問自答しながらお読みください。このコーナーを毎月コツコツと読み続けていただけば、気づいたときには会計・財務に強い営業人になっているはずです。

Q.「経常利益は“毎期期待される、経常的な利益”を示すということはわかったのですが、毎期期待されるとか、経常的ってどういう意味ですか? 利益は毎年変わるものですよね」

経常利益とは、会社の「毎期期待される利益」「経常的に稼げる利益」を示しますが、そもそも「経常的」とは何でしょうか?会社の利益は毎年変わるのに、毎期期待されるって何を言っているのでしょうか。
経常的の意味を考えるのは難しいので、ここではむしろこう考えましょう。「経常利益は毎期期待される利益である」ということは、逆に言えば、会社には毎期は期待されない、今年だけ特別にあった利益や損失があるということです。それが、経常利益の下に出てきます。以下の損益計算書をご覧ください。特別利益と特別損失です。

すなわち、特別利益と特別損失(あわせて特別損益といいます)は、通常は発生しない非経常的かつ巨額な利益や損失のことを言い、上記の損益計算書のように固定資産売却益や本社移転費用など様々なものが計上されますが、おおよそ勘定科目で内容が推測できます。
このように聞くと、営業社員の皆さんのなかには、「なぜ、固定資産の売却益が“特別“なんだ?我々、営業社員が稼ぐ売上のほうが特別だ」と感じるかもしれません。その通りです。営業社員の皆さんが稼ぐ”売上高“が最も特別で、最も重要なので、損益計算書では一番上に「売上高」が記載されているのです。


望月 明彦 プロフィール

トランスエージェント講師
特定非営利活動法人 日本交渉協会 常務理事

■公認会計士 ・ 交渉アナリスト

≪役職等≫
・ 望月公認会計士事務所 代表 (現任)
・ 日本交渉協会 常務理事 (現任)
・ ディップ株式会社監査役 (東証1部上場)(現任)
・ アイビーシー株式会社監査役(東証1部上場)(現任)
・ 日本公認会計士協会東京会 研修委員会 副委員長(2010~2014)
・ 経済産業省コンテンツファイナンス研究会 委員(2002~2003)

≪略 歴≫
早稲田大学政治経済学部卒。
監査法人トーマツを経て、慶応義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)修了。
その後、上場企業の経営企画部長として資本政策の立案・実施、合弁会社の設立、各種M&Aなどを手掛ける。
さらに、アーンストアンドヤングの日本法人にて上場企業同士の経営統合のアドバイザー等を務める。
2010年より望月公認会計士事務所代表。日本交渉協会常務理事。


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